初めての赤ちゃんの抱っこ

首の座らない赤ちゃんの抱き上げ方

生まれたばかりの赤ちゃんは、それまで10ヶ月あまりの間ずっとお母さんのお腹の中で羊水の中にプカプカと浮かんできたことから、全く筋肉が備わっていません。

産道を抜けて初めて外界の重力にさらされることになるため、自分で自分の体を支えることすらできないのです。

赤ちゃんが自分で自分の頭を支えることができるようになるのは出産後6ヶ月のちとなるため、それまでの間ずっと横になったまま過ごすことになります。

そんな弱々しい赤ちゃんを扱うわけですから、抱っこひとつにしても相当気を使っていきましょう。

生まれた直後の赤ちゃんは手足も細く、頭だけが大きいという体型をしています。

そのため、抱っこをするときにはまず最も重量のある頭をしっかり支えてあげるということが大切で、手足など体の末端部分をつかむような方法をとってはいけません。

新生児の赤ちゃんを抱き上げるときの動作の基本は、まず頭の下に手のひらを差し入れ、もう片方の手でお尻を支えるようにするということです。

頭を支える時には後頭部よりもやや下側の首の後を支えるようにし、急に持ち上げて首が大きく動かないようにすることが大切になります。

抱き抱え方には横抱きと縦抱きの二種類がありますが、いずれも場合もしっかり頭の後ろに手のひらを乗せるようにし、首がグラグラとしないようにきちんと固定してあげるようにしましょう。

乳幼児の脳はとても柔らかくて危険です

ここ数年でよく聞かれるようになった病名の一つに「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」というものがあります。

これは1970年代にアメリカで報告をされるようになってから急激に世界中に認知されるようになった病名で、日本では1997年に小児科学会で報告をされています。

この「乳幼児揺さぶられ症候群」の原因は乳幼児の体を強く揺することにより、柔らかい脳が大きなダメージを受けてしまうということが原因です。

特に発症例が多いのは出産後間もなく~6ヶ月までの首が座らない時期で、泣き止まない子供に対して保護者が乱暴な扱いをしてしまう場合の他、過剰にあやしてしまうことによって起こるケースがあります。

人間の脳をスキャンしてみると、脳とそれを覆っている頭蓋骨は、間に隙間があることがわかります。
生まれたばかりの赤ちゃんはこの脳と頭蓋骨の間の隙間が大人よりも大きく、衝撃があったときに内部の脳が大きく揺れてしまうという性質があるのです。

まして自分で首を支える筋肉がないうちは、首が左右に大きく振られるだけで内部に与えられる衝撃は相当なものと想像がつくでしょう。

赤ちゃんの頭が激しく揺れて脳に衝撃が起こってしまうと、脳の内部で血管の破裂が起こり眼球内の網膜に出血が起こってしまうのです。

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